このツールは、文章内のわかりにくい文を可視化して、わかりやすさを評価するライティング支援ツールです。
文章を書いている著者本人が、書いている文章の「わかりにくい」部分を見つけることは意外と難しいものです。
このツールは「多くの人にわかりやすい」という観点から、文ごとのわかりにくさ係数(※)を推定し、わかりにくいと思われる文をハイライト表示します。
1. 判定したい文章を入力して「計算する」ボタンをクリックすると、わかりにくい文を赤色で表示し、文章全体のわかりやすさ評価を集計します。わかりにくい文をほど鮮明な色となります。
2. 「判定基準」は、ハイライト表示するわかりにくさの基準を指定します。初期値では、30%以上としています。
3. 「詳細表示」をチェックすると、(①-②-③=④)の形式で、わかりにくさ係数の判定に利用した①一文の文字数②6文字以上連続する漢字の頻度③10文字以上連続するカタカナの頻度と、④わかりにくいと思う人の割合を追加で表示します。
4. 「全角ピリオドを文末扱い」をチェックすると、ピリオド「.」を文末として扱います。初期値は、改行コードとマル「。」を文末として扱います。
5. 「サマリー表示」をチェックすると、文章全体のわかりやさ評価値、文数(n)、わかりにくさ係数の平均(M)、標準偏差(SD)を表示します。デフォルトでオンです。
6. 括弧内の句点はエスケープし(文末として処理しない。)、括弧内の記述を含めた一文として扱います。「エスケープ前の確認」をチェックするとエスケープされる句点を確認できます。
7. 「サンプル文章を判定する」ボタンで、サンプル文章を判定できます。
※このツールで推定する「わかりにくさ係数」は、その文をわかりにくいと思う読み手の割合を基準としています。
この係数は、外国人と日本人を調査対象とした「システム仕様書の中の日本語のわかりにくさに関する調査」(大崎,2021a)に最適化したものです。
このツールの理論背景については、わかりにくさ係数の簡易な手法による推定(大崎,2021b)をご参照ください。
大崎(2021a)「わかりやすい日本語に関する定量分析」李在鎬編『データ科学×日本語教育』第13章、ひつじ書房、246-267
大崎(2021b)「専門文書内のわかりにくい文の推定―多文化共生社会に向けたライティング支援のための考察―」『計量国語学会第六十五回大会予稿集』1-6